著者は、PL学園出身で甲子園にも出場しているという異色の経歴の持ち主。
この「バトルスタディーズ」にもその経験が存分に活かされています。
主人公は白髪の捕手、狩野笑太郎。
狩野は、中学1年の時に見た横羽間高校とDL学園の延長17回の死闘を見てDL学園に入学することを決心します。
以来彼はDLに入学するためにすべてを捧げてきました。
1日7時間の練習をし、DL向きの選手になるため傾向を調べるなどしてきた結果、中学日本代表の主将に選ばれ、世界大会で優勝。
ついにDL学園から声がかかるほどの選手となりました。
DL学園のモデルはもちろんPLです。
このマンガはDL学園での野球生活を描いた作品ですが、DLでの生活はとにかく過酷です。
作者の実体験がベースとなっているようですが、正直信じられないような話のオンパレード。
まず初日の入寮時に学園生活におけるルールが告げられますが、そのルールがものすごく厳しい。
女見るの禁止、水は食事の時以外禁止、笑顔禁止等々。
普通に生活していたら絶対に守れないようなルールが10個以上あります。
正直自分ならこの時点で逃げ出したくなります。
でもそこで逃げ出さずに続けるあたりが普通の人間と違うんでしょうね。
また、寮生活も本当に過酷です。
上級生のために夕食の配膳、さらには洗濯までしなければならず、しかも洗濯は板で行わなければならないという有様。
授業も酷いです。授業を聞いてないのは当たり前で、それどころか、現国はニュースを鑑賞し、音楽はMステを視聴します。
実際にこんな感じだとしたら大問題ですが、多分マジねんでしょうね。
本当に野球以外は何もしてないんだなあと思いました。
一巻には元阪神の桜井氏とロッテの今井選手へのインタビューが掲載されています。
マンガの内容には誇張は無いらしいです。
寮生活がどんな感じだったのかをもっと知りたいのですが、最初の2巻まででだいたい書き尽くしたようで、現在は試合の描写がメインになっています。
試合描写はかなり独特ですね。
体よりも顔に力が入っており、何というか顔で野球やっているような感じです。
ただ、正直寮生活の方が試合よりも面白いだけにもったいない。
もっと描いたらヤバい話をバンバン描いてほしいです。
実体験を踏まえて描かれているからなのか、寮生活は非常に面白いです。
PL学園は休部してしまいましたが、このマンガにはもっと突っ込んだ話を描いて欲しいですね。