以前から気になっていたのですが、まとめて読む機会がなかったこのマンガ。
「あおざくら~防衛大学校物語~」の著者の前作で、個人的に気になっていましたが、本誌に掲載しているときは読んでいなかったので今更読みました。
常に白目で笑っている2メートルの男子高校生、武将髭アキラが主人公。
その見た目と常に不気味に笑っているために、彼は同じ高校の生徒から恐れられています。
しかし、常に彼が笑っているのは友達がほしいからであり、友達がほしければ笑顔が大事と書かれた本のとおりにしているからでした。
本のとおりにしているのに友達がまったくできないということに絶望するアキラですが、ある日の夜、路上で練習していた陸上部の小笠原と出会います。
彼女からいつもこのルートを走っていることを聞き、次の日ウェア一式をそろえて一緒に走ろうと誘います。
彼女と一緒に走り始めた最初はついていけていたのですが、彼女は有望な長距離ランナーで、ペースを上げるとあっという間にアキラを引き離します。
ところが離された後からアキラのスピードが上がり、アキラは彼女を追い抜いていきます。
車に激突してその日は止まりましたが、彼女はアキラに陸上部に入らないかと誘います。
アキラがすぐに入部を決意し、次の日の朝、職員室に窓から飛び込み、入部届を提出しました。
陸上のマンガで名作は非常に少ないですが、サンデーはこのジャンルに昔から積極的に挑戦してきたように思います。
「スプリンター」や「なぎさMe公認」、後、青年誌ですが「デカスロン」。
いずれも印象的なマンガです。
このマンガもそういった名作と並ぶかなと思ったのですが、その前に終わってしまいましたね。
終わってしまった要因としては。陸上が試合を描くのが非常に難しいジャンルだからだと思います。
特に短距離は一瞬で終わってしまうため、どうしても試合シーンを面白く描くのは難しくなってしまうという難点があります。
デカスロンは十種競技という競技の特性上、試合シーンが最後まで盛り上がりましたが、他の陸上マンガはどうしても人情よりのものが多かったりしますしね。
映画にもなった奈緒子は競技そのものではなく。生き死にで盛り上げようとしていましたしね。
このマンガも日常の掛け合いは面白いのですが、陸上を競技として掘り下げて描くのはハードルが高いと思います。
まとめ方は若干唐突でしたが、やむなしといったところでしょうか。
しかし、野球という集団競技で友達は不要と言っている同じ雑誌の「湯神くんには友達がいない」の湯神とは色々なところで正反対ですね。
おそらく2人の性格を足して割ったらちょうどいいのだろうなと思いました。