最近長いマンガを読んでいません。
短編集が多くしかも文章にまとまりがない…。
仕事をしているとなかなかまとまった時間が取れないのが辛いところです。
道満晴明、G=ヒコロウ、雑君保プの3名が贈るアンソロジーですが、G=ヒコロウ、雑君保プの作品はテンションが高すぎてついていけないというのが正直な感想です。
皮肉にも三者がそろって描くことにより、道満のスキルの高さが浮き彫りになっています。
1600年生きた悪魔が、風車に惚れて告白するというストーリーの4コマを描いていますが、構成力、デザインともに非凡なものを感じます。
また、ショートストーリーでは部員が大蛇に喰われていく話と同級生の巫女の誕生日を祝う話を描いていますが、いずれもニッケルオデオンを彷彿とさせるような話となっており、非常に出来がいいです。
ショートストーリーと4コマ両方描かれていますが、どちらも非常に面白いです。
道満は三者の中で絵の書き込みとセリフが一番少ないですが、その分一つ一つのコマが印象的なものになっています。
余白の使い方とコマ割りがうまく、読んでいて心地よさを感じます。
セリフも洗練されているんですよね。
ゾンビのお嬢様が出てくる話で「死人たるもの いかなる場合でもゆっくり歩くのが作法です」とか本当にお嬢様が言いそうなセリフを言わせてきます。
道満の作品を愛しているという方なら買う価値はあります。
ただ、道満が描いている部分は少ないのでファン以外の方にはオススメしません。