「自虐の詩」で知られる業田良家の著作です。
売れない演歌歌手の五木みさおは、紅白出場を目指し日々営業に励みます。
彼は妻を亡くし、娘と暮らしていますが、妻は死ぬ前に自身のビデオレターを大量に録画しており、2人はそのビデオを見て生活をしています。
妻は亡くなっているのですが、ビデオがその場面に合った話をしてくるため、意思を持っているかのように見えます。
また、五木と同じアパートに万田という女性が住んでいるのですが、彼女は、死んだ人間に対して誠意を持ち続ける五木の姿を見ているうちに惹かれます。
最終的に2人は結婚し、五木は紅白に出場しますが、この過程が泣けます。
それにしてもこの手の泣ける話を描かせると本当に著者はうまいです。
「自虐の詩」も良かったですが、自分はこちらの方が好きです。
1冊で完結しているのでオススメです。