「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリととり・みきの合作です。漫画家同士の合作ってあまり聞いたことはないですが、なかなかこれが面白い。タイトルとなっているプリニウスは古代ローマにおいて『博物誌』を著した博物学者であり、彼の一生を虚実織り交ぜて描いています。
現在ヤマザキはイタリア、とりは日本にそれぞれ住んでおり、マンガを描く際はまずヤマザキがネームを描き、それを2人で訂正した後、ヤマザキが人物の作画をし、とりが建築物や風景を担当して最終的に2人の絵を合成するそうです。
とりの本は何冊読みましたが、この本も背景や建築物がやはり抜群にうまいです。話自体はプリニウスが蘊蓄を述べ、これを口述書記官であるエウクレスが記録していくという地味なものですが、卓越した画力がこの作品を魅力的なものにしています。というか人物に比べて背景がうますぎるような気がします。
ローマは地震が多いということから自然災害をテーマに描かれたとのことですが、この凝りに凝った絵が話を重厚なものにしています。まだ1巻しか読んでいませんが、続きを早く読みたくなる作品だと思います。