主人公の西条は、恋をしている女性が光輝いて見えます。
これは比喩とかではなく実際に光って見えているそうです。
西条は、中学に上がる頃から光が見えだし、原因が女性の恋心にあると知ってからは、光を発した女性はもちろん恋愛からなるだけ遠くにいようとしてきました。
そんなある日、同じ授業を受けていた東雲と知り合います。
彼女に何故その読んでいるのか尋ねたところ、恋を知りたいから読んでいるのだと答えます。
彼女の横顔を見て西条は、自分に恋をしてくれたらと考えます。
このとき、人を愛さずに生きてきた西条は初めて恋をします。
それから西条は友人になりたいと東雲に話し、交換日記をしないかと伝え、東雲は二つ返事で承諾します。
女性視点の作品が多い秋★枝には珍しく男性視点の作品です。
恋とは何かといった哲学的な問いに対し、非常に理屈っぽく考える東雲と、西条とは小学校らの付き合いでセンセと呼ぶ北代との三角関係が話の軸なわけですが、決して激情に身を任せるのではなく、なかなかくっつかないあたり、非常現代的な印象を受けました。
北代は西条のことが好きであるにもかかわらず、今の仲のよい友人関係を壊したくないから、それ以上の関係になることを望みません。
とはいえ東雲と北代は仲が悪いのかというわけではなく、交換日記をし合うなど、本当にこれは恋愛マンガなのかと思ってしまうような有様です。
好きな人を取り合うのでもなく、北代が東雲と西条の関係を傍観して過ごすというのは、ひと昔前ならばありえない話だと思います。
秋★枝らしいよくも悪くもゆるい恋愛マンガですが、この先興味があるのは北代が終始このままなのかということです。
徐々に東雲は西条に惹かれていきますが、北代は2人がくっつく瞬間もずっとこんな感じなのか気になります。
それにしても北代と毎日のように顔を合わせる西条は羨ましい。
自分にはこんな大学生活は無かったですね。