本作の主人公である木絵は、妄想を趣味とするOLです。
彼女が風邪で4日間休んだあと出社すると、イケメンで金持ちのサラリーマンである光正が海外の支社から転属していました。
そのため社内の女子社員がやたら朝早く出社するようになったそうです。
木絵は顔の良い彼をネタにし、いつものように妄想で話を膨らませます。
木絵が妄想をしていると隣にいる光正が噴き出すということが何度か繰り返され、ある日から2人は付き合うようになります。
木絵の見た目は平凡であるため、何故付き合うことになったのかと社内でも話題になりますが、実は、光正は人の心を読むことができるという力を持っており、木絵の想像力に惹かれ付き合ってほしいと声をかけたのでした。
このマンガの肝は木絵の妄想です。
普通ならば妄想をしていないで本筋を進めてほしいということになりかねないのですが、そんな心配はまったく起きません。
この妄想がまた実に面白いのです。もっと妄想してほしいとすら思えてきます。
このマンガは著者のいつもの作品と同じく、全体的に淡々とした筆致で描かれております。
この筆致とあまりにもくだらない妄想のギャップがまたいい味を出しています。
ちなみに、光正の妹と弟それから祖母もテレパスな訳なのですが、彼女らのエピソードも面白いです。
全体的に盛り上がる話が特にある訳ではないのですが夢中になって読んでしまいます。
しかし、読んだあと思ったのですが、自分も昔は妄想をよくしていましたが、最近はとんとしなくなったなあと感じました。
こういった妄想をいつまでもできる人間が、いい作品を生み出すことができるんでしょうね。