妻を亡くして3年間引きこもっていた吾郎は、ある日妻のいない人生に絶望し、自殺しようとします。
娘のトモは自殺を止めようとしますが、部屋には暗証番号がかかっており入ることができません。
そんなとき雨に濡れた中年のおっさんが現れ、暗証番号を解除し吾郎を救います。
彼は自分のことを吾郎の妻である多恵子だと言いますが、どう見ても脂ぎった不審なおっさんです。
ただ、彼は仕草とかが妻にそっくりでした。
吾郎らはおっさんの話を信じたわけではありませんが、とりあえず共同生活を送ることになります。
吾郎の元に現れた多恵子のルックスは本当にキモイです。
生前の美しい姿とは全く異なっています。
ですが、おっさんになっても生前と変わらず、家族を愛する多恵子と暮らすうちに、吾郎はおっさんが多恵子であると信じるようになります。
正直1巻を読んだ時点ではこれだけ面白くなるとは予想していませんでした。
おっさんに妻が憑依するというふざけた設定でありながら、問いかけている内容は非常に深いです。
大切な人がもう一度目の前に現れたら何を伝えたいか、ということを考えさせてくれます。
最終巻はかなり泣きました。中盤は中だるみしますが、是非最後まで読んでほしい作品です。