無職でいるとどうしても働いていないことに対する罪悪感が生じてきます。
自分は本当にこれでいいのかという不安を感じることもしばしばです。
似たような立場にいる人の本は何冊か読みましたが、俗世を離れて生活しているような人の本はまだまだ少ないのが現状です。
あと、明日、日本一のニートとしてニート界で知られているphaさんの放送がフジテレビの『ザ・ノンフィクション』で14時からやるそうです。
彼の一挙手一投足には自分も注目しているので予約しました。放送を楽しみにしています。
しかし、無職の人の本が少ないというのは考えてみると至極当然ですよね。
無職でいるというのはそれだけ刺激の少ない生活であるわけで、外から入ってくる情報量も勤めているときと比べると格段に少なくなります。
自分から積極的に情報を得るよう努力をしなければ、ネタを生み出すのも一苦労でしょうし、同じ話の繰り返しになってしまいかねません。
自分も本は多めに読むようにしていますが、結局読書の知識と実際に身に起きたことでは何となく情報の濃さのようなものが違うような感じがしますしね。
抽象的な話になってしまい申し訳ないのですが、要は毎日新鮮なネタを仕入れるのはなかなか骨であるということなのかなと思っています。
今日は群ようこ氏の『れんげ荘』を読みました。
大学卒業後45歳まで大手広告代理店に勤めていたキョウコは仕事をやめて、貯金で生活をすることを決意するという話です。
やめたきっかけはキョウコの父親が高額なローンを払うため働き続け、55歳で心筋梗塞で亡くなったこと、そしてそれを強要してきた母親にうんざりとしたことです。
仕事をやめた後は月10万円で生活し、月3万円でシャワートイレ共用のアパート『れんげ荘』で生活をすることとなります。
れんげ荘には60過ぎた女性や年中旅をしている女性が住んでおり、彼女らとそんな濃密に交流するというわけでもなく、かといってまったく交流のないというわけでもなく、淡々と毎日過ごしていきます。
一応は小説ですが本当に大きな事件が起きるわけでもなく、単に無職の日常を書き綴ったような感じです。
続編も読みましたが、作中で3年が経過しても変わったことと言ったらキョウコが刺繍をやるようになったことと、モデル風の美人が引っ越してきたことくらいで本当に変化がありません。
それにしても45歳という年齢で一人暮らしであるにも働いていないというのは、世間的にはかなり異端なのでしょうね。
役所からもなぜ働いていないのかとか突っ込まれたりしています。
キョウコの労働に対する考え方は私と近いところがあります。やめたにもかかわらず解放感があるようなないような、不安があるようなないような感じ。自分にも身に覚えがあります。
この本は今後リタイアを考えている人にも参考になるのではないでしょうか。あとは、キョウコが本当に10万円で生活できているのかなというのは気になりました。家計簿も付録とかで公開してほしいですね。
Tweet