1巻は短編集で、鉄道少女漫画という題名が表すとおり全て鉄道に関する話が7話収録されています。
その中でも印象に残った話は洋菓子店の奥に鉄道模型室があり、そこで模型を走らせるという話です。
サラリーマンが妻へのおみやげを買いに洋菓子店へ行った際、店の奥に入っていく老人についていくと鉄道模型室があり、それから毎週木曜日に鉄道を走らせに通うようになります。
妻に隠して鉄道模型室に通うようになるのですが、集まった人たちが言葉を交わさずにゲージを眺めるというのは、ある意味非日常的な空間だなと思いました。
ここに通うことを妻に隠していることにより後々問題となるのですが、話の作り方もうまいです。短編がこれだけうまい人はなかなかいないと思います。
1巻の短編ではサラリーマン視点で話が進み、2巻からはそのサラリーマンに恋をした女子中学生の視点で話が進みます。
著者の作品は鬱屈としたBLものが多いですが、このマンガは読後感が非常にさわやかです。
全ての話が鉄道と絡めて描かれているのも新鮮です。
あとは何といっても表情を描くのが抜群にうまい。サラリーマンはセクシーだし、女子中学生は非常に可愛らしいです。
著者は、これだけ女性が描けるのだから趣味に走らなければもっとメジャーになると思うんですよね。
まあ、BLに対する執着はかなりのものなので彼女にとっては金じゃないんでしょうね。
非常にもったいないことです。