ゲスこと牧聖一は自分がいい馬に乗るために、あらゆる手を使って営業を仕掛ける騎手です。
ただ、その手口は犯罪につながるようなものではなく、馬主の娘と懇ろになっていい馬に乗せてもらうよう口利きを頼む、ライバルの騎手をおとしめ出場停止に追い込むといったものです。
彼がこのようなセコい騎手になったのは、エリートの兄に対して幼い頃から抱いていた劣等感のためなのですが、自分は共感できませんでした。
いい馬に乗るためならばあらゆる手段を講じるべきというのは、仕方のないことなのかもしれませんが、なんだかなあという感じです。
競馬という競技の性質上、乗る前に勝負が決まってしまうから営業が重要というのはわかるのですが、感情では納得できないといったところでしょうか。
営業に精を出す騎手を描いたのは新しいと思いますが、やはり主人公の性格が好きにはなれませんでした。