現在「セブンティウイザン」を連載しているタイム涼介氏の著作。
読まないで積んでいたのですがとうとう読みました。
主人公は中学2年生の男子である駄目元弱音。
なぜか彼は中学校の屋上にテントを作り、野菜を栽培して生活しています。
ですが、周囲の人間がそこに疑問を持っていません。この導入には違和感を持ちましたが、気にせず読み進めます。
読み終わった後に前半部分はまるまるカットされており、代わりに31話分のダイジェストが2ページで語られているということに気が付きました。
このダイジェストの内容かなり重要だと思うんですよね。
屋上で暮らす理由も書かれています。
どうも弱音の家は炎上し、両親とは別々に暮らしているようです。
そして友人である鉄人やモトルとつるむに至った経緯も前半部で描かれているようです。
完全版を出す必要がありますね。
弱音は、授業には出ない上に誰彼構わずに喧嘩を売り、鉄パイプで殴りつけるといういわば不良です。
不良なんですが、モノローグで日々の生活で感じることが書かれていますがこの表現がかなり詩的です。
彼が高校を卒業し、就職するまでが描かれていますが、冒頭の顔つきとはまったく違っており、冴えない少年が成長したなと感じます。
決して面白いというわけではないのですが、人生とは何か考えさせてくれる作品だと思います。